【和訳】金正恩氏へ送る手紙 「あなたも1日間絶食したら分かるはず」

 

金正恩委員長。ご存知かは知りませんが、ここソウルには「朝鮮日報」という発行部数の多い新聞があります。平壌の「労働新聞」のような存在ですが、国家機関の機関紙でなく、民間の新聞であります。
先日2月3日、僕のその「朝鮮日報」にあるコラムを載せました。20年前、故郷で家族と共に過ごした旧正月の思い出を描いたものです。北朝鮮に残った親と兄弟が、1度でもいいから、暖かくて貧しさのないお正月を送ってほしい気持ちを込めました。
しかし、ちょうどその日、共和国は8日~25日の間に衛星の発射をするとIMOに通報しました。驚くことです。7千万の民族が旧正月を迎えドキドキしているこの時、なぜそのような危険なニュースを世の中に発したのでしょうか。
恐らくそれは、父親である金正日の誕生日(2月16日)の前に行う、米ワシントンを狙った射距離13,000Kmの新型ミサイルの発射でしょう。ひとつ確認ですが、あなたは共和国の弾道ミサイルの技術に基づいた衛星などの発射は「国連安保理決意」の違反であることをご存知ですか。その行為が朝鮮半島はもちろん、世界の平和を脅かしているのは、三尺の童子でも知っていることです。
また、あなたは自国の世界経済順位が150位外であることは知っていますか?その貧しさが耐えられなかくて、食べ物と自由のため韓国まで命がけで脱出してくる人々が年に平均1,000人もいます。
その脱出してきた人々に「党は一般人民に配給しているか」と聞くと「国家の事情で配給が止まったのは20年前と同じ」とみんな答えるのです。それなら、90年代後半の「苦難の行軍」の時期と変わっていない。少なくても一般労働者・農民たちは、過去数百万が餓死したあの時と今を同じく感じていることです。
変わったのは、2千万人民を精神的に統制しやすくするために、朝鮮労働党の思想学習・組織生活・行使動因などの政治規律が一層強くなったことでした。人民は死なず生き残るために宿命的に服従するしかない。あなたならではの独裁体制なのです。
今も人民は、飢えに苦しみながら、あなたへの感謝と忠誠決意だらけの政治行使に動員されています。参加しないと知らぬ間に処刑されてしまう労働党の制度が怖いから。表では忠誠の涙を流しながらも、内心何回もつばを吐いているのです。
金正恩委員長!ちゃんと周りの悲惨な暮らしをみてください。幹部と平壌市民ではなく、地方と田舎に住んでいる人々の姿をみてください。飢えで苦しんでいるアフリカの人々より残酷な暮らしがそこにあります。
人民は、高額をかけた衛星発射なんかに興味がないです。「花より団子」といいました。その気分はあなたも1日くらい絶食をしてみたらすぐ分かると思います。1日が短かったら数日間の絶食で死の入口まで行ってみるのはどうですか?もう核実験もミサイル発射も虚しくなりますよ。

http://www.newdaily.co.kr/news/article.html?no=300375

【和訳】金正恩氏へ送る手紙 「あなたも1日間絶食したら分かるはず」

【和訳】平壌とソウルの「街の清掃」

 

平壌に住んでいた1995年4月のある日、一日分の作業と1時間の学習(金正日の思想教育)が終わって、電車で帰り、「金策工業総合大学」前で降りました。
すると、周辺マンションの住民たちが、お部屋を掃除するように人道を濡れたモップで掃除している、すごい不思議な光景が目撃できました。早朝にほうきで汚いところを掃除するのはよくありましたが、夜中にモップで掃除をしたのは初めて。
掃除をする人々は大体が主婦で、みんな泣きそうな顔をしていました。疑問に思った僕は隣の女性に「あの、何かありましたか」と尋ねました。彼女は「敬愛なる金正日将軍様が昨夜車でここを通った際に道が汚いと仰ったそうです。我々がみんな怠け者で敬愛なる将軍様にご心配をおかけしてしまいました」と答えました。
僕はただうなずいたのです。もし僕が「それは誰から聞いた話ですか」と反問したり「いや、車の中で人道の汚さが見えるはずない」と言ったらどうなったのでしょう。それを聞いた誰かは僕のことを告発します。告発した人は出生をする。告発しないと、僕の言ったことを聞いたその場の全員が罪に問われます。それが北朝鮮です。
北朝鮮に訪れた外国人や韓国人はみんな平壌の道が綺麗といいます。外人がよく訪問するところはさらに綺麗で、落ちたガムを噛みなおしてもいいくらいです。しかし、それはあくまでも「見えるところ」の話で、マンションの裏道などに入ると悪臭がひどく、汚物が数ヶ月も溜まったままです。
あれから20年が経った今日、僕はソウルで街の掃除をしました。僕の住んでいる地域のボランティア団体と「綺麗な都市、僕らの街」というテーマの春掃除に参加したのです。明るい顔で「この街で唯一テレビの生放送へ出演できる作家さん」と僕のことをほめてくれる主婦の方々と一緒です。
子供の自慢話や結婚した子供夫婦との悩み、若いころには知らなかった甘い「新中年」(60歳~75歳)の恋愛話など、地味かもしれない日常話と共に掃除にがんばる姿がとても美しく見えました。
もし、パク・クネ大統領が「ソウルの街が汚い。管轄の自治体は掃除にもっと力を入れてください」と言ったらどういう現象が起きるのでしょうか。
まず、区役所などは地域区の議員に「お掃除の予算を上げてください」とお願いをするでしょう。いや、知らない振りをするかもしれない。または、「大統領から掃除する姿を見せたらどうですか」とか「なんかおかしい物でも食べたのかな」という人もいるでしょう。
平壌とソウルとはこんなに違いがあります。やることがなくても職場に顔を出し、思想学習をしたり、今すぐ食べ物がなくても首領に心配をかけないため強制掃除に動因されたり、それを少しでも疑問に思うと知らぬ間に処刑されてしまう北朝鮮住民の生活。動物と変わらないです。
この日のボランティア活動が終わって、みんなと食べた「もやしスープ定食」(白飯と5つのおかず)は、北朝鮮の人からしたら、お正月はもちろん、お誕生日でも食べることのできない超高級の食事です。彼らの普段の生活がどんなものかは言う必要もないでしょう。
北朝鮮の住民が人間らしく暮らせるひとつの方法、それは統一しかありません。

 

http://www.unityinfo.co.kr/sub_read.html?uid=18369&section=sc6

 

【和訳】平壌とソウルの「街の清掃」

<ピープル>『平壌はすごい』出版した脱北者リム・イル氏

2007年02月27日

<ピープル>『平壌はすごい』出版した脱北者リム・イル氏

 

「北朝鮮・平壌(ピョンヤン)には夫婦が仲良く共に入れる銭湯がある。浴場の入り口で夫婦で関係を証明する公民証(住民登録証)を提示してこそ入場できる。だけど追い銭を支払えば恋人も夫婦に認めてくれたりもする」。

平壌からクウェートの建設現場に派遣されたが、10年前の97年、ソウルに亡命した脱北者リム・イル氏(39)。同氏が、北朝鮮での体験談を紹介した著書『平壌はすごい』(図書出版マルグンソリ)を出版した。リム氏は「笑いの図書」と副題を付けた同書で、蒼光院(チャングァンウォン)にある総合慰楽施設の夫婦銭湯をはじめ、平壌の人々の生活ぶりとエピソードを詳しく説明した。

平壌の女性らが結婚時に準備したがる「5ジャン6キ」もその一つ。布団を入れるダンス、洋服用のダンス、飾り棚、食器棚、ゲタ箱(5ジャン、いずれも語尾がジャンで終わる)とテレビジョン、録音機、ミシン、扇風機、冷蔵庫、洗濯機(6キ、いずれも語尾がキで終わる)がそれだとのこと。マンションや自動車が平凡なものに思われうるが、北朝鮮では新婚夫婦の約0.1%だけがこの「5ジャン6キ」を準備できるという。

北朝鮮住民らの間で「昨夜、生活調節委員会が訪れた」との言葉は家に泥棒が入ったとの意味らしい。生活苦に陥った住民が他人のものを盗み困窮さを解決するのを「生活調節」に戯画化したもの。リム氏は「平壌の金持ちの家に泥棒が入ったことがあるが『人民が主人の国で、まんべんなく分けあって暮らそう』との手紙を残したことがあり、一時話題になった」と紹介した。

リム氏は、社会安全部(現在の人民保安省で警察にあたる)と対外経済委員会を経て、96年11月からクウェート駐在の朝鮮(チョソン)光復建設会社に勤めた。翌年3月、韓国行きのためクウェートの韓国大使館を訪れた。当時、黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元労働党書記が韓国に亡命し神経を尖らせていた北朝鮮側は、韓国大使館に「裏切り者のリム氏を出さなければ、大使館ビルを爆破する」と脅迫したりもした模様だ。

リム氏は「北朝鮮が嫌いだからではなく、韓国がさらに好きで韓国入りした」とした。同書の序文で同氏は「母の懐のような故郷、平壌をあまりにも愛す」と書いた。だが平壌にいる娘ミヒャンさん(当時2歳)に対する申し訳ない気持ちを隠せないとした。同書にはミヒャンさんあてに送る手紙も掲載されている。

同氏は「私の誕生日に生まれて夫婦にとって大きな贈り物になったミヒャンにとって、父は罪人」とし「私がぼけて置き去りにした」と切ない気持ちを示したりもした。同氏は韓国に定着した後、大学で産業デザインを専攻し、現在出版社に勤めている。リム氏は講演を行なう度、統一世代になる北朝鮮新生児への支援が必要だとの点を力説している。同氏は、同書の収益金一部を北朝鮮最大の産婦人科病院・平壌産院に寄付する計画だ。

 

http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=84980

<ピープル>『平壌はすごい』出版した脱北者リム・イル氏